日本繁殖生物学会 講演要旨集
第109回日本繁殖生物学会大会
セッションID: OR2-19
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内分泌
Lepidium meyenii(マカ)の給与がラット精巣ステロイド合成酵素の遺伝子発現に及ぼす影響
*太田 祥弘川手 憲俊稲葉 俊夫森井 浩子高橋 勝美玉田 尋通
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抄録

【目的】Lepidium meyenii(マカ)は南米原産のアブラナ科の植物であり,ヒトや家畜の生殖機能を向上させるという伝承がある。しかし,マカの繁殖機能に及ぼす作用には不明な点が多い。当研究室はマカエキス末(MACAXS®,TOWA CORPORATION)を6週間給与した雄ラットでは対照群と比べて血中テストステロン濃度が増加し,精巣ライディッヒ細胞のテストステロン産生能が増強されることを報告した(Ohta et al., Andrologia, 2016)。しかし,マカがライディッヒ細胞のテストステロン産生関連因子の発現に及ぼす影響は不明である。本研究ではラット精巣におけるステロイド産生関連因子のmRNA発現量に及ぼすマカエキス末給与の影響を調べた。【方法】8週齢のWistar系雄ラットにマカエキス末2%を含む飼料を6週間給与した。対照群にはマカエキス末を含まない飼料を給与した。精巣からRNAを抽出し,real time PCR法でステロイド産生関連因子であるLH receptor(LHCGR)とSteroidogenic acute regulatory protein(StAR)ならびにステロイド合成酵素のP450 cholesterol side chain cleavage enzyme(P450scc), 3β-hydroxysteroid dehydrogenase(3β-HSD),17α-hydroxylase/C17-20 lyase(P450c17)及び17β-hydroxysteroid dehydrogenase(17β-HSD)のmRNA発現量を測定した。【結果】マカエキス末給与群の精巣における3β-HSDのmRNA発現量は対照群と比べて有意に増加した。その他のmRNA発現量については群間で差はなかった。【考察】マカによる精巣テストステロン産生能増強に3β-HSDの発現量増加が関与するものと考えられる。

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© 2016 日本繁殖生物学会
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