地域漁業研究
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Print ISSN : 1342-7857
論文
放課後児童クラブの「ぎょしょく教育(水産版食育)」実施主体としての可能性
阿部 覚林 紀代美
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 57 巻 3 号 p. 45-64

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抄録

本研究は,放課後児童クラブ(学童)に着目し,七尾市の小丸山放課後クラブでの活動実践を事例として,「食」に関わる学びや「ぎょしょく教育」を行う主体や場としての有効性,可能性を検証することを目的とする。

その結果,実施環境の利点が確認された。学習を通じて児童には,知識・技能の獲得のほか,多様な学びの力がはぐくまれる契機としても機能していた。支援員にとっても,児童の伸びを実感することで,自身の職務の工夫や動機づけの向上につながっていた。保護者も,子から活動の報告を聞き,学びを契機とした子の変化や成長に気付いていた。多忙で親子間での調理技術の伝承や水産物・献立に関わる会話などを十分確保できないことから,保護者は学童での学びの機会やその継続に好意的評価を持っていた。

一方で,学童での学習にもいくつか課題がある。第1に,導入・実施の方法や材料が学童関係者に十分認知されていない。第2に,一部構成員の意欲・行動力に依存せず,保護者も含めた園関係者全体で連携した活動づくりが必要である。関連して第3に,必要な知識・技能をもつ支援者を長期的,継続的に確保する難しさである。同時に,長期的に学習を展開するならば,外部講師に依存しない活動基盤,園関係者の指導力をどう構築していくかも課題となる。第4に,企画に応じた時間と場所の設定・活用や内容の構築である。

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© 2017 地域漁業学会
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