1981 年 10 巻 9 号 p. 702-707
広島湾において特異的に変動を示す未同定の微量有機汚濁物質が, ガスクロマトグラムの解析から見い出された.その未知物質の層別および季節的変動が調べられた.その結果, この物質は主に懸濁態として存在し, クロロフィルa濃度と関係することがわかった.さらに, その未知物質は植物プランクトン, Chaetocerosとdinoflagellateによって多く生産されることが示唆された.この知見は, 広島湾北部沿岸域における表層海水の培養によって得られた結果とよく一致している.