本研究は, 都市内の詳細なNO2濃度分布と住民のNO2個人被曝量の比較並びにNO2の身近な発生源の状況・個人日行動・個人属性とNO2個人被曝量の関係の分析を目的とする.NO2個人被曝量の測定にはNO2フィルターバッジを用い, 日行動は被験者に指定の用紙に記録してもらった.さらに, 屋外NO2濃度や住居等の内・外のNO2濃度も細かく測定し, 個人NO2被曝量との比較を試みた.
結果: 居住地NO2濃度がNO2個人被曝量を上回ることが明らかになったが, 個人日行動とNO2個人被曝量との関係を明確に把握することはできなかった.NO2個人被曝量を説明するには, 行動特性以外に場所別NO2濃度や身近なNO2の発生源の状況を詳細に調査するなど, さまざまな要因を考慮する必要がある.