1986 年 15 巻 11 号 p. 894-896
排水中の1, 1, 1-トリクロロエタン (TCA) , トリクロロエチレン (TCE) 及びテトラクロロエチレン (PCE) 等の3種類の低級塩素化炭化水素の簡易同時定量法を分離器とガス検知管からなる分析器を考案して検討した.本法はTCA, TCE及びPCEを含む排水1000mlを1lメスフラスコに移し, ついでキシレン1mlを添加する.撹伴後, 平衡状態になったキシレン500μlを採取し, ガスクロマトグラフ用分離管を内蔵した分離器に注入する.ついで, TCA, TCE及びPCEの分離管での溶出時間にあわせて, 分離器の出口にガス検知管を接続させる.排水中のTCA, TCE及びPCEの濃度は水中のTCA, TCE及びPCE濃度とそれぞれのガス検知管の読み値の検量線から求める.その結果, 排水中のTCA, TCE及びPCEの定量下限界はそれぞれ0.5, 0.25及び0.1ppmとなった.