韓国における環境問題
―大気汚染を中心にして―
1988 年 17 巻 3 号 p. 164-168
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1988 年 17 巻 3 号 p. 164-168
1960年初頭以来, 韓国は急速な工業化, 都市化ならびに経済成長を経験した.最初は環境問題にほとんど考慮が払われなかった.しかし1970年代の終わり頃には, 環境汚染問題を取り扱う総括的な計画が重要になった.総合的にみて, 韓国における汚染防止計画は全く順調に進行している.現在の汚染問題の主な原因は明らかにされており, ほとんどの汚染に適用される規制と対策は準備されている.しかし, 当初に心配されていたように, 今日的な問題はその履行と承諾及び執行の分野にある.
この時期を通じてリスク評価と管理についての正式な計画はなかったが, リスクに関係した問題についての全国的な関心は大きくなっている.これらの問題としては, 国際企業活動が環境に及ぼす影響や, 自動車に関連した汚染, 及びアジア固有の「黄砂」現象や酸性雨といった広範囲に及ぶ大気汚染などが含まれる.こういった問題について一般の人達の理解が進むに連れて, リスクの一層明白な評価に対するニーズが増大している.さらに効果的に定義されたリスクに対する公式の対策が重要になる.
リスク評価と管理の総括的な計画を立てるに当たっては, 韓国自身の状況から生じているニーズをもとにした経験と情報が韓国にとって必要となっている.
