環境技術
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伐採樹木の焼却に伴う煙成分および臭気の発生原単位に関する調査研究 (II)
―粉塵, タール, THC, CO, CO2および臭気の発生原単位の推定―
西田 耕之助大迫 政浩宍田 健一喜多 義邦石川 浩次
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1989 年 18 巻 11 号 p. 691-698

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抄録

本報では, 第1報の結果の解析から最も妥当と考えられる発生原単位を算定した.すなわち, 粉塵, タール, 全炭化水素 (THC: Total Hydro Carbon) , 二酸化炭素 (CO2) , 一酸化炭素 (CO) および臭気濃度の計測結果と, 焼却煙量および気象因子等の観測結果から, 周辺環境の濃度予測に不可欠な発生原単位を推定した.
本調査によって得られた結果を要約すると次の通りである.
1) 伐採樹木の焼却によって発生する焼却煙量は, 1.2~4.1Nm3/secであった.
2) 発生原単位の推定に適用するプルームモデルの各パラメータのうち, 有効煙突高は風速と指数関数で回帰され, また煙流幅 (σy, σz, ) は風下距離Xと対数関数で回帰された.
3) HV捕集量からプルームモデルを用いて推定した粉塵の発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り0.56~10.3mg/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると36~800mg/sec・m3である.
4) U字管に捕集されたタール量から推定したタールの発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り2.8~4.7mg/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると93~320mg/sec・m3である.また, HV捕集量からRUN4および5について推定した値も同オーダを示した.
5) THC濃度および焼却煙量から推定したTHCの発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り0.56~3.4mg/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると19~270mg/sec・m3である.
6) CO2濃度および焼却煙量から推定したCO2の発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り1.2~3.1g/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると39~190g/sec・m3である.
7) CO濃度および焼却煙量から推定したCOの発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り1.0~1.8g/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると69~100g/sec・m3である.

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