環境技術
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DDTC錯体共沈法を用いる水中のセレンの蛍光X線分析
西岡 洋梅本 諭深田 哲右
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1989 年 18 巻 9 号 p. 564-569

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抄録

水中のセレン (IV) をニッケルーDDTC錯体に共沈捕集し, これを蛍光X線分析により定量する方法について検討した.セレンを含む検水に100mg/lのニッケル共沈剤溶液15ml及び5%フタル酸水素カリウム緩衝剤溶液10mlを加える.検水のpHを4に調整した後, 2%DDTC沈澱剤溶液5mlを添加し, 30分間放置して沈澱を熟成させる.沈澱を0.45μmのメンブランフィルター上に捕集し, 風乾後蛍光X線分析を行った.本法による水中のセレンの共沈率は97%以上であった.0~10μg/lの濃度範囲で測定した検量線は良好な直線性を示し, 検水1, 000mlを用いた場合の本法の定量下限は1.9μg/lであった.本法をガラス工場の排水分析に適用した結果, 5.1μg/lのセレンが検出され, JIS法による結果5.0μg/lとよく一致した.

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