各種熱機器装置で使用される, けい酸カルシウム系保温材の屑中の繊維状無機物質 (アモサイト石綿を含有) を溶融・固化処理により減容化・無害化する方法において, 繊維状物質の溶融温度を下げることのできる, フラックスの利用を実験室規模の実験により検討した.供試繊維状物質の成形体の溶融温度 (1, 300℃) は, ホウ砂, オルトけい酸ナトリウム, 水ガラスの単独添加あるいは, オルト珪酸ナトリウムとけい酸カリウム (あるいは, けい酸リチウム) の併用によって, 溶融温度を800~900℃に下げる可能性が見出された.繊維状物質堆積体の体積は, 溶融・固化体へ約1/20 (減容率95%) に減容し, 溶融固化物は, 主として, 非晶質物質からなり, アモサイト石綿は認あられなかった.