環境技術
Online ISSN : 1882-8590
Print ISSN : 0388-9459
ISSN-L : 0388-9459
富栄養化した池水の浄化に関する基礎実験
佐々木 博和石川 宗孝中西 弘
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 26 巻 11 号 p. 743-749

詳細
抄録

汚濁して富栄養化した池水の浄化対策に関する基礎実験として, 次のような室内モデル実験を行なった.まず, あるお堀の底泥を小型水槽に投入して, 従来から一般的に有効と考えられていた石灰散布やレキあるいは砂ろ過装置等4種類の浄化手法の効果を, アオコ発生を制御することが可能かどうかによって検討した.そしてさらにこれらの実験結果を参考に, アオコが発生している池水の浄化装置としてアオコを生物ろ過する装置と池水のリンを除去する装置を作成し, それらを淀川脇の水路の底泥を投入した大型水槽に設置して運転した.その結果, ひも状接触材を用いた接触材ろ過装置は本実験条件ではアオコに対して優れた浄化効果を発揮することを確認したが, 装置の除去率からみて安定性を欠くことが推測された.また, 石灰等を用いたリン除去装置はアオコがまだ発生していない場合は非常に有効であるが, アオコが既に発生している場合はリン吸着能が下がる問題があることを確認した.

著者関連情報
© 環境技術学会
前の記事 次の記事
feedback
Top