環境技術
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し尿汚泥のコンポスト化における操作条件とアンモニア発生量の関係
大滝 昭仁高野 博幸佐藤 岳渡邊 正臣中崎 清彦
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1999 年 28 巻 8 号 p. 573-578

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抄録
し尿汚泥は窒素含有率が高く, コンポスト化に伴って悪臭物質であるアンモニアを多量に発生する.本研究ではコンポスト化の操作条件がし尿汚泥中の有機物分解とアンモニアの発生に与える影響について検討した.迅速な有機物分解をめざした高速コンポスト化のための操作条件は, 温度は60℃付近, pHは7.2以上の弱アルカリ条件, 含水率は40~60%付近にあることを見い出した.また, 種類の異なる種菌を添加しても有機物の分解速度に与える影響は小さいことを確かめた.なお, 有機物分解量とアンモニア発生量は多くの操作条件でほぼ比例関係にあるが, 含水率が低い場合には有機物分解量のわりにアンモニア発生量が多く, 温度が低い場合やpHが低い場合には有機物分解量のわりにアンモニアの発生量が小さいという, 有機物分解量とアンモニア発生量が比例しない操作条件のあることを明らかにした.
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