環境技術
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浮遊粒子状物質測定用フィルター秤量時の相対湿度変化が精度に及ぼす影響
吉村 陽小坂 浩小山 太八郎玉置 元則
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2003 年 32 巻 10 号 p. 811-817

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抄録

PM2.5測定用の47mmφテフロンフィルターと一般的な大気サンプリング用の110mmφ石英フィルターを用いて, 秤量時の相対湿度変化が秤量値に及ぼす影響を, 秤量室の相対湿度を50%に調節した場合としなかった場合を比較することによって調べた.テフロンフィルターの秤量精度は, 秤量室の相対湿度を調節した場合としない場合で大きな差はなかった.秤量室の相対湿度を50%に調節したときのPM2.5質量の標準偏差は15μg, PM2.5質量濃度の定量下限値は6.3μg/m3となり, 低濃度のPM2.5測定は精度が不十分であることが分かった.一方, 石英フィルターの秤量精度は, 秤量室の相対湿度を50%に調節したときの方が調節しないときより2~5倍も良く, 秤量室の相対湿度を一定に保つことは, 石英フィルターを精度よく秤量する上で非常に重要なファクターであることが分かった.秤量室の相対湿度を50%に調節したときのSPM質量の標準偏差は36μgとなり, 2週間で約400m3の大気サンプリングの場合, SPM質量濃度の定量下限値は0.89μg/m3となった.

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