環境技術
Online ISSN : 1882-8590
Print ISSN : 0388-9459
ISSN-L : 0388-9459
北海道歌登町におけるディスポーザー導入の費用効果分析に関する研究
吉田 敏章山縣 弘樹森田 弘昭
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 32 巻 12 号 p. 986-995

詳細
抄録

下水道整備区域へのディスポーザーの導入については, 下水道施設への影響が懸念される一方, 利用者の利便性向上が期待されている.また, 清掃事業における経費減少の可能性があり, 二酸化炭素発生量の変化やリサイクル形態の変化等環境への多面的な影響もある.本研究は, 下水道整備済区域においてディスポーザーが導入された場合の影響について, 北海道歌登町をケーススタディとして, 費用効果分析の観点から検討を行ったものである.利用者が享受する利便性向上という効果については仮想評価法 (CVM) により便益を計測し, 下水道・ごみ処理システムの影響効果については, 導入前 (平成11年度) の実績データに基づき推定した.その結果, 歌登町ではゴミ収集, 処理が小規模でそのコスト低減が十分期待できないため, 下水道への負荷増加に伴う下水道事業の費用増加が, 可燃ゴミの削減に伴う清掃事業の費用削減を上回った.一方利便性に対するWTP (平均値) は950円/月/世帯であり, 町全体で年間1千万円余の利便性便益が見込まれる結果となった.

著者関連情報
© 環境技術学会
前の記事 次の記事
feedback
Top