2013 年 13 巻 p. 49-51
今回, 足漕ぎ車椅子を重度パーキンソン病症例1名に対し, 1日1回15分で3日間使用した. 使用前後の歩行動画記録を基に歩行解析した. 結果, 使用前と比較すると歩行速度は70%増加, 歩幅は56%拡大, 歩数は36%減少した. また歩行軌跡では, 使用前はすくみ足や尖足が観察されていたが, 使用後は軽減した. 足漕ぎ車椅子のペダリング運動で得られる, 視覚・聴覚・運動感覚から得られる情報が, 大脳基底核に抑制された視床を活性化させたことにより, 歩行能力が改善したのではないかと考察した.