日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第52回大会
セッションID: W2-2
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環境放射能研究とretrospective dosimetryの展開
広島・長崎の線量評価とその意義
*星 正治遠藤 暁田中 憲一今中 哲二HULT MikaelGASPARRO JoelMARISSENS Gerd
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キーワード: 原爆, DS02, 線量評価
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抄録
原爆放射線量評価システム2002(DS02)は日米とドイツの多くの研究グループの共同研究により確立された。DS02は原爆被ばく者の臓器線量を計算する。まず、広島と長崎の原爆本体から放出されたガンマ線と中性子のエネルギースペクトルを計算し、さらにそれらが空気中を進み日本家屋を通過し、散乱したり吸収されたりする過程を計算する。そして被ばく者毎の臓器線量が計算される。一方、煉瓦や瓦を収集しガンマ線量を測定した。同様に、鉄や花崗岩や銅のサンプルを収集し中性子により生じた放射能(Co-60, Eu-152, Cl-36 Ni-63)を測定した。DS02はこれらの測定データと比較され、DS02が正しいことが確認された。これらの線量は放射線影響研究所(RERF)の疫学調査の結果と合わせ放射線の発がんなどへのリスクが見積もられた。このリスクは放射線作業者や一般人への被ばくの限度を定める。DS02の主成分はガンマ線で旧DS86と比較して約10%増加した。この発表ではDS02の結果とDS02構築の背景を説明する。測定されたデータのうちで、遠距離のCo-60のデータがDS02と合っていなかった。ここではその遠距離でDS02と一致する新しいCo-60のデータも紹介する。
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© 2009 日本放射線影響学会
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