抄録
細胞死は生命の発生や恒常性維持に不可欠の生命現象であり、その破綻は癌や神経変性疾患をはじめとする多くの疾患の原因となる。これまでは、ほとんど全ての生理的細胞死は、厳格なシグナル伝達のもとに実行されるアポトーシスであると考えられてきたが、我々は非アポトーシス細胞死も重要な役割を担っている事を発見した。このような、非アポトーシス細胞死として、_丸1_オートファジー細胞死、_丸2_ミトコンドリアの膜透過性変化を介したネクローシスを同定し、種々の生理現象や病理現象との関連を見いだしている。
本講演では、最近発見した新たなオートファジー機構に関する知見なども併せて、放射線によるオートファジーと細胞死の全体像を講演する。