2000 年 18 巻 2 号 p. 167-172
本論文は, 最近ヒット商品となり, 注目を集めている対話型ロボットが子供の社会的発達を阻害するかどうかという問題を, ロボットと同様に仮想現実を提供するテレビゲームやインターネットの研究知見を参考にしながら, 論じたものである.対話型ロボットが現実的な人間関係を提供する場合, そうした悪影響の可能性が考えられるが, それは研究によって確認されなければならないことが指摘された.将来, 対話型ロボットに対する悪影響論が出現してくる可能性があり, それに対処するために, 悪影響論に関する研究や, 対話型ロボットを有効利用する開発や研究が望まれることが主張された.