1988 年 6 巻 5 号 p. 380-387
本論文は, ロボットアームのための位置と力の動的ハイブリッド制御系の一つの設計法を与え, その基礎的な実験結果を示したものである.動的ハイブリッド制御とはRaibertとCraigの提案したハイブリッド制御の考え方をアームの動特性を考慮にいれた場合にまで拡張したものである.本手法は二つのステップから成る.第一のステップは非線形フィードバックによるアームの動特性の線形化である.第二のステップは線形化されたモデルに対して, i) 目標値に対するシステムの応答特性と, ii) モデル化誤差や外乱に対する制御系のロバスト性を共に考慮にいれた, 位置・力制御系の設計である.本手法の妥当性を示すためにスカラ型ロボットを用いた基礎的な実験の結果を与えている.