日本ロボット学会誌
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ヒューリスティックなグラフ探索にもとづく自由空間算出法による障害物回避動作計画
近藤 浩一
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1988 年 6 巻 6 号 p. 489-498

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抄録

本論文では, 6自由度マニピュレータの障害物回避を, コンフィギュレーション空間を用いて一般的に行う方法について述べる.本方法の基本的な方針は, コンフィギュレーション空間の一部の情報のみで, 障害物と干渉しない移動経路を計画することができるという考え方にもとづき, 経路探索に関係する自由空間を限定し, 不必要な干渉チェックを行なわないようにすることである.コンフィギュレーション空間は等しくセルに分割され, ヒューリスティックなグラフ探索アルゴリズムにもとづき, 経路探索に関連するセルが効率的に算出される.探索戦略を特徴づけるヒューリスティック関数は, 根元の数自由度を使った大まかな動きを優先するように定めることも可能である.また, 探索効率を向上させるために両方向探索も取入れた.そのため, 6次元コンフィギュレーション空間における必要な自由空間の全データ量は強力に制限され, 干渉チェックの必要回数も少ない.メモリは, コンフィギュレーション空間のうち, 経路計画に関連する部分に限定して割当てるので, 6次元空間において表現された自由空間が, 効率よく記憶される.特に本アルゴリズムは, マニピュレータの機構的な特徴に左右されないので, どのようなタイプのマニピュレータに対しても一般的に適用可能である.さらに本方法を実際にインプリメントし, 6自由度多関節型マニピュレータに適用した.

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