日本ロボット学会誌
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視覚センサとレンジセンサとの協調による移動ロボットのナビゲーション
久保田 孝橋本 秀紀原島 文雄
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1989 年 7 巻 4 号 p. 275-283

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抄録

ロボットが現実の世界をとりあつかうためには, 種々のセンサ情報を統合・融合して, 必要な情報を信頼性高く獲得することが必要である. 環境を認識し, それに適応して移動する知能移動ロボットにおいて, 視覚センサの果たす役割は大きい. そこで, まず視覚情報を用いた移動ロボットの誘導方法について述べる. これは, 視覚センサを用いてサブゴールの位置を検出し, ビジュアルフィードバックによってロボットを誘導するものである. ここでは, 障害物回避のシミュレーションを行い, 本手法の検討を行う.
視覚センサのみを用いたナビゲーションには次のような問題点が考えられる. ロボットは障害物を回避したあと, 与えられたサブゴールに向かって移動していくわけであるが, 視覚センサから得た画像情報からは真横の情報を得ることはできない. したがって, 状況によっては一度よけた側方の障害物に再び接触する可能性がある. このように視覚センサは大域的な情報は得やすいが, 正確な近接情報を得ることは難しい. そこで, 超音波センサ等のレンジセンサを用いて近接距離情報を補うことが必要である. ここでは, ロボットが必要な情報を信頼性高く獲得するためにセンサ情報の融合を試みる. 実際に, 視覚センサ情報とレンジセンサ情報の融合方法を提案し, シミュレーションによってその有効性を示す. さらに, 実験用移動ロボットを用いて提案したナビゲーション方法の実験的検証を行う.

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