2009 年 2009 巻 DMSM-A803 号 p. 04-
ノイジーなセンサーデータからの異常検知の問題を考えた時、センサー同士の依存関係に現れる異常の検出は、実用上重要かつ困難な問題である。困難の由来はおおむね2つにまとめられる。ひとつは、センサー間の相関がノイズに対しきわめて脆弱なため、異常の兆候をノイズから切り分けるのが難しい点である。2 つ目は、複数の変数ペアにおいて何かの異常が観測されたとしても、その情報を個々のセンサーの異常度に帰着させるのが簡単でない点である。本論文では、前者への解決策として疎な構造学習の手法を用いることを、また後者に対しては、グラフィカル・ガウシアン・モデルから情報論的に自然に導かれる相関異常スコアを用いることを提案する。