2013 年 75 巻 6 号 p. 393-402
携帯型米品質分析計の基礎研究として,近赤外分光法による米の品質測定のサンプリングが不要なプローブ(測定部)を試作し,米表面と米袋状態で測定した場合での玄米と精米の水分とタンパク質の測定精度を検討した。試作したプローブにより,乾燥籾でどの程度の精度が得られるかについても検討した。その結果,米表面の測定は実用的な精度が得られ,新たな成分測定方法の可能性があると判断できた。さらに,米袋状態でもオープンと同等の精度が得られ,これによって米の検査段階や流通段階で米袋入りの状態である程度の精度を維持しながら測定できる可能性が示された。ただし,籾は玄米·精米より精度が劣ったため,プローブの改良が必要である。