農業機械学会誌
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刈払機用ピアノ線刃の試作研究 (第1報)
試作と諸元の決定
荒牧 利武安部 武美山下 淳
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1980 年 42 巻 1 号 p. 75-83

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抄録

いわゆる切込刃などの在来の刈払機用刈刃の欠点は, 短時間のうちに摩耗や刃こぼれを生ずることであり, 摩耗によって切断角が大きくなった刈刃は, 目立てしても切れ味が充分に回復しない。また, 刈刃の回転と作業動作に伴って生ずるジャイロ偶力が意外と大きく, これによる疲労の問題も無視できず, 安全性の点でも大いに問題がある。一方, ナイロンカッターは, 安全ではるが, 耐久性に乏しい。本報のピアノ線刃による草刈装置は, これらの欠点をいくらかでも除去しようとの意図から考案されたもので, 機構の主体は, ピアノ線刃を円盤周部の取付環に回動自在になるように取り付けたことにある。
本報では, ピアノ線刃の構成並びに諸元を決定するための実験を行い, 実用化の可能性を考察した。続報では, 高速度写真などによる, 雑草に対する切断特性を明らかにし, さらに作業者が受ける生体負担及びそれに関与する諸要因を調べた結果を報告する。

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