農業機械学会誌
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最速降下線の利用による農産物の輸送エネルギーに関する基礎研究 (第1報)
径路内の自由輸送と送風式による輸送速度特性
市川 真祐森 邦男山村 文雄山下 光司
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1982 年 43 巻 4 号 p. 567-574

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抄録

3次元空間で物体を人為的に移動させる場合, その所要力は Newton の法則により (質量×加速度) であり, 早く移動させるほど所要エネルギーは多く必要となる。省エネルギーの見地より物体を移動させるためには, 地球の重力すなわちポテンシャルエネルギーを利用することである。それには比較的近い2点間においては最速降下線の径路をパイプライソで設定すれば, 摩擦, 空気抵抗等を無視するとその物体は投入エネルギーなしで最も早く届くはずである。しかし現実には摩擦, 空気抵抗等が存在するので100%のポテンシャルエネルギーは利用できないから何らかの方法で補助する必要がある。したがって本研究は最速降下線を利用して農産物 (穀類等) を輸送する場合, ポテンシャルエネルギーのみによる自由輸送およびそれに補助エネルギーを与える強制輸送の特性を調べ, 省エネルギー輸送のための基礎資料とすることである。

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