農業機械学会誌
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煮熟繭のレオロジー的特性
高林 千幸細川 明
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1982 年 44 巻 2 号 p. 355-361

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抄録

煮上がった繭の状態から煮熟状態を判定することを目的に, 煮熟繭のレオロジー的特性に着目してモデル化を試みたところ, 煮熟繭は基本的には4要素モデル (第5図) によって十分表わされることが知られた。そこで煮熟繭のレオロジー的特性値と繰糸成績との関係から原料繭に適した煮熟状態を検討した。その結果, 煮熟を徐々に進めていくことにより煮熟繭の粘性係数C2 (第5図) が無限大つまり3要素モデルで表わされる状態から4要素モデルで表わされる状態に移行する現象が見られ, 荷口の殆んどの繭が4要素モデルで表わされる状態となった時に繰糸成績の向上する傾向が見い出された。したがって煮上った繭そのものから得られる情報を基にして繭の煮熟状態を制御するためには, 煮熟繭のレオロジー的特性を捉えることにより可能となることが示唆された。

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