1983 年 45 巻 2 号 p. 177-182
全歪弾塑性理論による有限要素法で土の二次元切削問題を研究するため, まず一軸圧縮実験で土の弾塑性挙動を調べ, それにより, 相当歪と相当応力の関係を求めた。切削中の土の摩擦すべり現象をシミュレートするため, 各摩擦自由度の状態を循環計算毎に摩擦節点の力学状態に応じて決めた。そして, 各切削変位に対して, 収束した解を得てから, 節点座標を修正する方法をとった。最大主応力の大きさが引張強さを越えた要素の剛性を低減させるという方法で, き裂処理を試みた。次に, 土の二次元切削実験を行い, 切削抵抗の実測値と理論解析値とを対比し, 大略, 両者の一致する結果を得た。