1983 年 45 巻 2 号 p. 199-205,198
薬液少量散布機による施設内病害虫防除では, 散布した薬液の施設内への拡散性の良否が防除効果に影響を及ぼし, また散布薬液粒子径が10~20μm以下のものが多いため, 蒸発やドリフト現象もおこり易く, このことも拡散性を左右する。
本報は, 散布機周辺の粒径別粒子数と, 施設内の温度と相対湿度との関係を知るため, 薬剤, 吐出量, 散布量, 施設内の温度と相対湿度をアイテムとし, 数量化分析I類を適用して検討した。粒子数は散布条件により変動が大きかった。10μm以上の粒子数は, 施設内温度とは負, 同相対湿度とは正の相関関係にあった。最適散布環境は施設内温度15~24℃, 同相対湿度50~80%のときであった。