1983 年 45 巻 2 号 p. 223-228
穀物乾燥に広く採用されている間欠乾燥法は本来, 穀物の品質劣化を防止する目的で導入されてきた。
しかし, 間欠的な乾燥操作は乾燥特性にも影響し, 休止後に乾燥速度が増加するテンパリング効果が現われることが認められている。このテンパリング効果は粒内水分分布を考慮した球モデルにより初めて理論的に説明された。本研究では穀粒を均質系とみなした球モデルに対し, 〓の存在を考慮した2槽モデルにより, テンパリング効果を説明し, 間欠乾燥過程を考察する。そして, 2槽モデルの実験結果に対する適合性を調べることにより、休止期間中の水分移動機構についての知見を得る。