農業機械学会誌
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茶葉の乾燥特性 (第1報)
茶葉の乾燥における粗揉機の機械的作用の影響
吉冨 均中野 不二雄滝谷 洋鈴木 勝弘
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1986 年 48 巻 2 号 p. 195-202

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抄録

製茶工程における茶葉の乾燥機構を明らかにするため主要な乾燥工程である粗揉工程を中心に, 茶葉の乾燥特性を調べる実験を行つた。その結果, 静置乾燥では減率乾燥を示す茶葉が粗揉工程においては恒率乾燥もしくはそれに近い状態を示し, これは粗揉機の機械的作用のうち主として葉ざらいの作用によるものであることが明らかとなった。また, 葉と茎の乾燥速度は静置の場合葉の方が大きいが, 粗揉工程では逆に茎の方の乾燥速度が大きくなることが見出された。そして, これらの結果をもとに粗揉工程中の茶葉が恒率乾燥を示す理由について考察し, 機械的作用による水分押し出しの外にかくはんによる間欠乾燥のモデルを提案した。

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