1988 年 50 巻 2 号 p. 47-54
既報に示した数値解法によって玄米粒内の乾燥応力を求めるには, 乾燥時間の増分Δtと粒の無次元半径の増分ΔRの値を定めなければならない。本報では, 計算誤差を評価するために一定の乾燥条件下においてそれらの増分値を変えた場合の計算を行い, 計算結果より,Δtを0.04h,ΔRを0.05と設定すると過大な誤差が生じないことを示した。
そのように増分値を設定し, さらにいくつかの異なる乾燥条件下における応力計算を実行した。胴割れ発生の主因が乾燥応力にあるとみなして計算結果を検討し, 胴割れ率は, 乾燥用空気の温度と湿度の関数である平衡含水率に大きく影響されることを示した。