農業機械学会誌
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バイオテクノロジー作業の自動化に関する研究 (第2報)
カルス植え継ぎロボットについて
岡本 嗣男木谷 収
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1990 年 52 巻 5 号 p. 79-85

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抄録

組織培養による植物苗大量生産に部ける作業の自動化を目的として, ロボットによるカルス植え継ぎ作業の無入化を試みた。カルス個体の認識, 切断・分離, 捕捉, 移植といった一連の作業の操作法を, センサーからの入力情報に基づいて自律制御するシステムを開発した。
視覚情報の処理では, 画面を分割して対象物認識を高速化するなど, アルゴリズムを最適化した。マニピュレータのリストツール面に, カルス切断・分離ハンドとカルス吸着ハンドを装着し, 1台のマニピュレータによりカルス分割作業と捕捉作業が可能な構造とした。本装置を用いて, 1個体のカルスを2分割した後, それぞれを別々の新しい培地に置床する1行程の植え継ぎ作業を行うのに要した時間は約1分20秒であった。

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