1992 年 54 巻 2 号 p. 3-10
含水エタノール・軽油 (WE/O型) 乳化燃料を予燃焼室式圧縮点火機関に供給した時の機関性能, 燃焼特性および排出ガス特性について実験的に検討した。その結果WE/O型乳化燃料駆動時の正味熱効率は燃料噴射開始時期を適当に設定すると軽油駆動時より高く, 排煙濃度は大幅に低減する。この際, 含水エタノール率Re (Re=含水エタノールの質量/乳化燃料質量で定義) が高くなると熱効率最大を与える噴射開始時期は早くなる。Reが増加すると燃焼最大圧力, 最大圧力上昇率は増加するので燃焼騒音も増加する。これはReの増加に伴って着火遅れが大きくなるのが主因と考えられる。