瞬間的な土の締め固めに対するトラクタの前進速度の効果を調べるために, 圃場実験を行った。実験では, けん引負荷を持たない後輪駆動の標準トラクタを用いた。トラクタの入力ファクタに対して土の応答変数がどうなるかといった観点から, この土の締め固めという実際に重要な問題を取り扱った。種々のトラクタ速度に対する土の締め固めの強さと分布を正しく求めるために, わだちの形状, コーン貫入抵抗および土の粗密度の測定結果を用いた。トラクタの速度が0.5m/sから4.5m/sに増加すると, 土の締め固め度は15%減少, 貫入抵抗は7~10%減少, また地表面の変形量 (沈下) は24%減少した。