本研究の目的は, 差圧通風冷却方式による予冷操作に最も有効な平均熱伝達係数としての限界平均熱伝達係数または限界空塔風速を求め, 冷却操作条件の評価を行うことにある。本報では, モデル球および青果物充填層におけるこの係数または風速を, 有限要素法と冷却実験によって求めた。その結果, モデル球充填層の限界平均熱伝達係数は46.5W/(m2・K) であった。次に例えば, 温州ミカン充填層の限界平均熱伝達係数は23.3/(m2・K) であり, キヌサヤエンドウ充填層の限界空塔風速は0.2m/sであった。これらの青果物の単位冷却エネルギーは, 空塔風速が0.2~0.4m/sの間で最小値をもつ放物線になることを示した。