前報までに, CP制御を行った5自由度極座標型マニピュレータ, 複数の機能を有する収穫用ハンド, および視覚部における識別, 位置検出方法の検討を行ってきた。本報ではロボットによるブドウ生産システムの効率化を計るため, ハンド部の交換によってロボット作業が可能と考えられる整房, 摘粒作業に着目した。まず, ブドウの基礎的物理特性を測定した上で, 穂軸上部の露出, 摘粒, および果房の長さを一定にそろえるという3つの作業を同時に行うハンドを試作した。そのハンドを用いて基礎実験を行った結果, ほぼ良好な整房, 摘粒作業が可能であり, 本作業のロボット化の可能性を確認できた。