1994 年 56 巻 4 号 p. 13-20
普及している循環式乾燥機に新たな複数の貯留槽を組み合わせた貯留乾燥システムを想定し, 市販の循環式乾燥機のバーナ加熱部を0.3kW容量の除湿機に換えて, 生籾の除湿乾燥を試みた。その結果, 張込量1,421kgと8.7%の乾燥スパンに対し, 毎時0.07%の乾燥率で5.4日を要した。しかし, 循環回数が多くなったため, 割れ籾や脱ぷ粒の増加傾向が見られた。熱効率は電熱加熱の0.7→0.4より高い0.9→0.7で経過した。ここに, 除湿機を装備した循環式乾燥機が籾の緩慢乾燥の過程でその品質を保持しつつ熱を有効に利用して, 乾燥仕上がりに至ることが確認された。