農業機械学会誌
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近赤外分光法による穀物成分測定値の変動要因 (第3報)
品種と収穫年度がキャリブレーションた及ぼす影響と機器の経時変化
夏賀 元康川村 周三伊藤 和彦
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1994 年 56 巻 4 号 p. 35-44

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抄録

北海道産小麦3品種を用い, 品種ごとのキャリブレーションが他の品種へ適用できるか検討し, 各品種間に有意な差を見いだした。すなわち, ある品種で作成したキャリブレーションを他の品種に適用すると誤差が大きくなった。つぎに, 収穫年度がキャリブレーションに与える影響について検討し, 収穫年度はタンパク質のキャリブレーションに有意な影響を及ぼすこと, したがって, 精度の良い測定値を得るためには数年にわたって試料を収集し, それからキャリブレーションを作成する必要があることを見いだした。ついで, 近赤外分析機器の経時変化が存在し, これが測定値の変動要因のひとつであることを見いだした。したがって, 精度の良い測定を行うためには基準試料による分析機器の日常的な精度チェックが必要である。

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