本報はヒートポンプを利用した乾燥機を試作し, 椎茸を乾燥することを想定して, 実験を行った報告である。収穫時の椎茸は水分は90%w. b. 前後であり, 品質面から, 木材乾燥の場合と同加様に, 初期の乾燥温度が40℃位に制限され, 乾燥が進むにつれて昇温させる方法が採られている。椎茸がおもに冬期前後に収穫乾燥されることから, 本研究では, 省エネルギを図る目的で, ヒートポンプによって除湿した乾燥空気を循環させる密閉型乾燥機について, 排気の温度, 湿度, 風量が装置の成績係数および性能に及ぼす影響を調べた。乾燥初期の除去水分が多い場合には, ヒートポンプ装置の成績係数は高くなるが, 仕上がり時の高温空気では低くなる。