1996 年 58 巻 3 号 p. 19-26
スイカの収穫作業を自動化するためにグリッパの開発を行った。はじめに, グリッパの仕様を決定するために, スイカの形状と力学特性の計測を行った。この結果に基づき, 4本のリンク形フィンガにより, スイカとフィンガの間の摩擦力を利用して把持力を得るセルフ・ロック式グリッパを試作した。次に, グリッパの収穫性能を評価するために, グリッパとスイカの位置偏差許容範囲の測定実験と, フィンガとスイカの接触部分に発生する最大応力の測定実験を室内で行った。この結果, グリッパは位置偏差40mmがある場合でも, スイカを傷めずに収穫することが可能であった。