農業機械学会誌
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農作業服による作業性と快適性の定量化に関する研究 (第1報)
農作業服素材の紫外線透過性に関する検討
桑原 宣彰岡本 嗣男
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1996 年 58 巻 3 号 p. 27-35

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抄録

農作業時の紫外線被曝量の軽減をはかる目的で, 農作業服, 特に今回は, その繊維素材および色が布の紫外線の透過性に及ぼす影響について検討し, 以下の結論を得た。1) 繊維素材によって, 紫外線の透過率は大きく異なった。ポリエステルの透過率は低く, 綿のそれはかなり高かった。2) また, 染色をすることによって, 透過率は低くなった。これら繊維素材や色を適宜有効に選択することによって, 紫外線の被曝量を大幅に減らすことが可能であることがわかった。3) 布の紫外線透過は, Kubelka の理論を適応することによって, 吸光係数と散乱係数が求まり, それによって, 各種布の特性が把握できた。4) 農作業時の紫外線被曝による日焼けを, 最小紅斑量以下にするための布に必要な吸光係数と散乱係数の範囲を決定することができた。これらの結果は, より望ましい農作業服の開発, および農作業者が, 作業服を選択するために有用な知見となり得るものと考えられる。

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