車輪走行性の解析において重要な接地応力分布の予測には, 平板の接地圧と沈下量の関係を記述したM. G. Bekker の経験式に基づくいくつかのモデルが広く利用されている。これらは簡便で実用上有用ではあるが, すべり率や沈下量による法線応力分布の変化を表現できないなどいくつかの欠点があり, 走行性を高い精度で予測するには改善を要する。本研究では剛性車輪を対象とし, 法線応力には放物線分布モデルにすべり率の効果を考慮した修正放物線モデルを, さらに, 接線応力には Janosi モデルにピークを有する接線応力-すべり変位関係式などを導入した拡張モデルを提示した。これらに基づいて沈下量から接地応力分布, けん引力, トルクおよびこれらの経時変化を予測する一連のシステムを開発し, 砂地盤におけるモデル剛性車輪の走行実験結果と予測結果とを比較し, 適用性が高いことを示した。