2001 年 63 巻 1 号 p. 93-99
乾燥調製過程の水分範囲の広い小麦の水分とタンパク質を精度良く測定することは従来困難であった。そこで本報文では, 近赤外分光法を用い, まず, 乾燥過程における小麦水分の測定精度の検討を行った。ついで, 乾燥調製施設の荷受けにおける小麦の水分とタンパク質の測定精度の検討を行った。その結果, 小麦の水分とタンパク質は, 18%を境界にして高水分域と低水分域とに分けることにより, 精度の良い測定が可能であった。乾燥過程の水分の測定精度は高水分でSEP=0.48%, 低水分でSEP=0.32%であった。乾燥調製施設の荷受け小麦の水分とタンパク質の測定精度は, 水分では高水分でSEP=0.41%, 低水分でSEP=0.11%, また, タンパク質は高水分, 低水分ともSEP=0.13%であった。