繋ぎ牛舎における搾乳作業の自動化をねらいとする搾乳ロボットシステムを開発した。牛体の臀部および腰角を機械的に捕捉し, 一体化して牛体の動きに追従する機構を機軸として, これに搭載する以下のティートカップ保持アーム, 平面内において3つの回転関節を有するACサーボモータ駆動による多自由度ロボットマニピュレータ, およびこれらの鉛直高さを調整する昇降軸から構成される。ティートカップ把握用エンドエフェクタには空気圧グリッパを用いて, その直上には10組の透過型光電スイッチを組み込んだ, 80×66mm角のU字型乳頭位置センサを装備した。各乳頭へのエンドエフェクタのアプローチは, ティーチングデータに基づいている。センサ領域内に包囲した個別乳頭位置は, 各光軸の on-off 情報からリアルタイムで認識され, このセンサ情報から制御周期を20msとする位置制御により, ティートカップ装着動作を実現する。