2002 年 64 巻 2 号 p. 117-121
履帯車両に強制デフ方式を採用し簡易な操作システムを構成すると, 車速により旋回半径が異なったり, 前進時と後進時で旋回方向が異なりアブノーマルな旋回操作となってしまう。自動車感覚の操作性を確保するには, 旋回操作システムのなかに演算機能をもたせることが必要である。
本報では, 円錐の頂点と底円周上の点までの距離は, 常に等しくなることを基に, 円錐の底面の傾きを前後進用主変速レバーの操作と連動させ, ハンドルの切れ角を底円の回転に変換させる円錐リンク機構を用いて, 自動車感覚の操作性を実現できる操作システムについて報告する。