農業機械学会誌
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ロータリ耕うんによるスクミリンゴガイ防除に関する基礎的研究
高橋 仁康関 正裕西田 初生
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2002 年 64 巻 6 号 p. 76-81

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抄録

本研究は西南暖地でスクミリンゴガイ〔Pomacea canaliculata (Lamarck)〕が水稲の生育初期に食害を及ぼす問題に対し, ロータリ耕うんによる防除技術を開発することを目的とした。本貝は圃場へ浅く潜土し越冬するが, その8割は深さ6cm以内で, 水口周辺, 畦畔際, 低地部分で生息密度が高い。湛水直播水稲では殻高 (貝殻の高さ) 5mmの幼貝でも出芽時の芽を食害可能であるため, 直播への食害軽減のためには幼貝の防除も必要である。市販のロータリ耕うん機ではピッチを小さく一度に砕土を行った方が殺貝効果が高く, 殻高の大きな貝に対する殺貝効果が高い傾向にあった。なお, 入水とともに圃場へ流入する貝が多いため, 入水初期は水口へ網掛をすることが望ましい。

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