2003 年 65 巻 4 号 p. 108-116
農業用重量物ハンドリングマニピュレータの第1段階の研究として, マニピュレータの機構を議論する。まず, マニピュレータの新たな運動学モデルを提案し, 従来の運動学モデル(極座標形, 多関節形, 円筒座標形, 直交座標形, SCARA形) と比較して, 農業分野における重量物ハンドリングに適切であることを運動学解析によって示した。次に, 提案したモデルの技術課題としてスイカ収穫作業を選定し, 油圧モータ, 油圧シリンダ, DCモータをアクチュエータとする実機を試作した。最後に, 試作機を用いて屋外でのスイカ収穫実験を行った。実験の結果, 作業成功率は規格外のスイカを含めて86.7%, 作業時間40sであった。規格内のスイカに対しては全て成功した。