真空冷却中の青果物の温度を熱画像によって非接触で計測可能な装置を構築し, レタス表面の温度分布の連続的な変化を計測した。レタスは, 葉部では急速に, 葉肋部では徐々に冷却される様子が, 熱画像によって面的に計測された。また, 真空冷却時のレタスの品温を熱電対によって計測する際, 計測部位からの水分蒸発によって周囲の領域よりも温度が低く計測されることを示すとともに, 熱電対による温度計測上の問題点を指摘した。熱電対の設置に由来する水分蒸発が明らかとなり, 葉肋において熱電対の挿入部分のみが急速に冷却したことから, レタスの真空冷却プロセスは, 葉では水分蒸発, 葉肋では熱伝導による冷却であることが明瞭となった。