豆腐産業においてよく使われている凝固剤の一つである塩化マグネシウムにより凝固した豆腐のレオロジ特性と塩化マグネシウム濃度及びタンパク質濃度条件について検討した。7, 8%タンパク質濃度の場合に, 凝固剤添加量の増加により, 破断応力は上昇し, その後減少した。凝固剤量が30mMのときに, 6%, 7%タンパク質の豆腐の破断は延性破断であり, タンパク質濃度が8-9%に増加のときに, 脆性破断様式を示した。凝固剤とタンパク質の最適濃度は, 20mMで6-9%, 25mMで7-9%, 30mMで8-9%であることを見出し, 最適な塩化マグネシウムの濃度範囲が他の凝固剤と比べて非常に狭いことが分かった。二つのマクスウェル模型を含む四要素模型はグルコノーデルターラクトン (GDL), 硫酸カルシウム豆腐と同様に塩化マグネシウム豆腐の応力緩和曲線に合い, 豆乳濃度の増加に従って, 四要素模型のパラメータ, 特に粘性パラメータと応力緩和時間は増加することを見出した。凝固剤の違いが豆腐の味やレオロジ特性に影響することが知られており, 各種凝固剤の特性を活かした凝固剤の混合, そして豆乳濃度を増加させることにより, 絹ごし豆腐製造法で中国の市販豆腐に近い硬い豆腐を製造できることを示唆した。