農業機械学会誌
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知的作業支援のための手振り認識
森尾 吉成堀部 和雄
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2004 年 66 巻 6 号 p. 86-95

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抄録

農作業現場において作業者と対話できるシステムを構築することは, 作業者と機械が協調して作業を行う作業体系を実現する上で重要である。本稿では, 作業者が機械と手振り動作を用いて対話を行う方法について検討し, 圃場のような複雑な撮影環境下においても手振りが認識できる手法として, フレーム間差分を用いて求めた動物体すべての移動軌跡から, 円弧往復運動を行う軌跡のみを抽出することにより手振り動作を認識する方法を提案した。実験では, 被験者6人に対して, 背景が一定でなく, 影の影響がある自然環境下において認識を行ったが, 画像中の被験者の大きさが約60% (300画素) で, 手の振る速さを約1秒に1回に設定すれば, 2回の手振りで手を振っていると認識することができた。しかし, 画像中の被験者の大きさが30%, 20%のように小さい場合や, 手の振る速さが2秒に1回と遅くなると, 認識することが困難になったことから, より安定した認識方法について検討する必要があった。

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