農業機械学会誌
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糊化特性による長期貯蔵米の品質評価に関する研究
グエン クォクトアンリ トゥングホアン後藤 清和
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2005 年 67 巻 4 号 p. 105-112

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抄録

収穫後の籾 (ハツシモ) を4段階の水分値 (11.1, 12.8, 14.7, 17.6%WB) および3段階の温度(4, 20, 35℃) において, 17ヶ月という長期にわたる貯蔵を行った。その間, 貯蔵条件の影響を受けて白米の糊化特性に現れる変化を測定した。4℃の貯蔵においては, 最高粘度がごくわずかな上昇傾向が見られた以外は, セットバック粘度, 最終粘度および糊化温度のいずれもが貯蔵期間を通じてほぼ一定であった。20℃での貯蔵では最高粘度, セットバック粘度および最終粘度に緩やかな増加傾向が見られた。貯蔵温度が35℃の場合, それら指標値は素早く変化した。籾の水分値も変化率に影響を与えた。高水分であっても貯蔵温度が4℃と20℃の場合は貯蔵期間中に糊化温度の変化は見られなかった。しかし, 35℃の場合は低水分の材料でさえその水分値に応じて3~9ヶ月後から急激な変化を示した。糊化特性値を統計的に分析した結果, 長期間貯蔵された米の品質変化は水分値, 温度および貯蔵期間の複合的な影響を受けることが明らかとなった。

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